アタッチメントについて 2025.9.1
インビザラインでは、アタッチメントという突起を歯の表面に付けることがあります。
「どんな役割があるの?」
「いつまで必要?」
「痛みはある?」など
アタッチメントについて疑問がある方は多いのではないでしょうか。
今回はインビザラインのアタッチメントについてお話ししていきたいと思います。
インビザラインのアタッチメントとは、歯の表面に装着する白い突起物です。

コンポジットレジンという歯の色に近い白い材料を使用しているため、
目立ちにくいものになります。
最初は違和感がありますが、
マウスピースで覆われるため日常的には気にならなくなってきます。
またアタッチメント周りには、汚れが付きやすくなるため、
歯磨きや食事の際に注意が必要です。
色の濃いお飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインなど)はアタッチメントに付着しやすいため、
着色が気になる方は、避けるようにして下さい。
マウスピースを装着したまま濃いお飲み物を飲みますと、
マウスピースはもちろんアタッチメントにも着色しやすくなります。
食後はしっかりと歯磨きし、
フロスも継続して使用できますので、併せて使いケアするように心掛けましょう。
次にアタッチメントの役割についてお話しします。
◉アタッチメントの役割
マウスピース自体にも保持力はありますが、
アタッチメントを装着することでアライナーの保持力がさらに高まり
マウスピースと歯がしっかりと固定されるので
歯を移動させる力(矯正力)が伝わりやすくなります。
接着する位置や個数に関しては、症状や治療計画によって異なります。
次にアタッチメントの効果についてお話ししていきます。
◉アタッチメントの効果
アタッチメントはその形状や歯に設置する場所、
個数によってマウスピースの矯正力をコントロールします。
アタッチメント種類には大きく分けて
通常アタッチメントと最適アタッチメントがあります。
通常アタッチメントとは
歯科医師が、患者様の歯の状態や治療計画に基づいて、
必要に応じて手動で装着するアタッチメントです。
形状や大きさは、長方形や楕円形などが一般的で、治療の必要性に応じて歯科医師
が決定します。

最適アタッチメントとは
歯冠形態と3次元的移動に合わせて
歯に固有な形・大きさ・デザインにカスタマイズされたものです。
特定の歯の動きや複雑な矯正に対応するために、
治療計画に組み込まれています。
例えば、歯根をコントロールするルートコントロール用アタッチメント
ねじれた歯を回転させる回転用アタッチメントなど、
目的に応じてさまざまなタイプが存在します。

ではもう少し詳しく説明していきます。
⚫︎回転用アタッチメント
歯を回転させて理想の歯並びにしたい場合に使用します。
主に犬歯や小臼歯の調整をする際にアタッチメントを付けます。
⚫︎ルートコントロール用アタッチメント
ルートコントロールとは歯の根っこの傾きを調整することです。
前歯の中でも主に犬歯や中切歯の調整をする際にアタッチメントを付けます。
⚫︎アンカレッジ用アタッチメント
アンカレッジとは歯を動かす時の固定源のことです。
抜歯後のスペースを埋めるための移動をサポートします。
⚫︎オープンバイト用アタッチメント
オープンバイトとは、
噛み合わせた時に奥歯はしっかりかんでいて
前歯が開いている状態のことで、開口といいます。
前歯を挺出(注※1)し、噛み合うように歯冠方向に歯を出したい時に使います。
⚫︎デイープバイト用アタッチメント
ディープバイトとは、噛み合わせた時に下の前歯が上の前歯に覆いかぶさっていて、
下の前歯が見えないくらい深く噛みこんでいる状態のことで、過蓋咬合といいます。
オープンバイトと同様に奥歯を挺出させたい場合に使います。
注1※挺出:挺出移動とは噛む面の方向に歯を移動させることです。
上の歯であれば下に引っ張るイメージで
下の歯であれば上に引き出すイメージです。
最後に患者様からよくあるご質問についてお答えしていきたいと思います。
Q:アタッチメントはいつまでつける必要があるの?
A:アタッチメントは歯を動かすために付けるものなので
治療の初期段階から歯を計画した位置まで動かしている間は付けておく必要があります。
歯の移動が完了し保定期間になれば歯を動かす必要がないので
アタッチメントは原則すべて取り外します。
Q:アタッチメントをつけると痛みはあるの?
A:アタッチメントを歯の表面に付けるときに痛みはありません。
初めてマウスピースを装着する時アタッチメントがつくと
最初はきつく感じて痛みがあるかもしれませんが2~3日で慣れてくることがほとんどです。
アタッチメントが付いていると歯に力が加わり
歯が移動するので痛みが出ることがあります。
こちらも2~3日で慣れて痛みが和らいできます。
Q:アタッチメントが外れたらどうしたらいいですか?
A:アタッチメントが取れてしまった場合、
すぐに治療に影響が出るというわけではありませんが、
そのまま長く放置すると歯がしっかり動かなくなるため、
治療の計画が予定通りに進まないことがあります。
取れてしまった場合はどこの歯のアタッチメントなのかもわかる範囲でご連絡いただき、
早めに受診し、再設置することが望ましいです。
デンタルモニタリング中の方は、アタッチメントが取れているとAIが感知いたしますので、
きちんと撮影するようにしましょう。
今回はアタッチメントについてお話しさせていただきました。
アタッチメントについてお分かりいただけましたでしょうか。
今回お話しさせていただた内容以外にも、ご不安なことやご不明点がございましたら、
いつでもご相談ください。
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