矯正治療の一般的なリスクと副作用はありますか? 矯正治療の影響について

Q.

矯正治療を検討していますが、事前にリスクなどを知った上で決めたいと思っています。矯正治療のリスクや副作用はありますか?またそれはどのようなものでしょうか?

 

A.

 他の医療行為と同様に、矯正歯科治療にも潜在的なリスクと副作用があります。

 

機能的で健康的な歯並びや噛み合わせを得ることができる矯正治療は大きなメリットがある一方、リスクや副作用もあることを理解いただくことは重要です。※全てのリスクや副作用が生じるわけではありません。

 


【一般的なリスクと副作用】

  • 1.最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。装置には数日間から1、2週間で慣れることが多いです。
  • 2.歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • 3.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 4.治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  • 5.歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯肉がやせて下がることがあります。
  • 6.ごく稀に歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • 7.ごく稀に矯正治療中の強い衝撃等により、歯の神経が影響を受けて壊死することがあります。
  • 8.治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 9.治療中に「音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • 10.様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 11.歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • 12.矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 13.装置を外す時に、エナメル質に小さな亀裂が入る可能性や、かぶせ物 (補綴物) の一部が破損する可能性があります。
  • 14.装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 15.装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物 (補綴物) やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  • 16.顎の成長発育により、咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 17.治療後に親知らずが生えて、デコボコが生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 18.矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

 


リスクや副作用を正しく理解することで、安心して矯正治療が受けられることが大切です。

疑問点などございましたら、お気軽にお声がけください。