乳歯がキレイな歯並びであれば永久歯もキレイに生え替わりますか? 小児矯正について

Q.

歯医者さんで5歳のこどもの歯並びが将来悪くなる可能が高いと言われました。

今は全て乳歯できれいに並んでいますので何となく信じられません。アゴも大きくなるし運良くきれいに生え変わるのではないのでしょうか?

A.

上の前歯の乳歯と永久歯の比較です。

 

乳歯:平均約6.6mm  永久歯:平均約8.6mm

 

永久歯は約1.3倍大きいです。

 

残念ながら、前歯が乳歯の時にある程度「すきっ歯」でないと永久歯が生える隙間が足りなくなてしまいます。隙間がない前歯は、生え変わりと共に不正咬合になって並ぶ可能性が高いです。

 

このお話をすると「アゴは成長して大きくなるから大丈夫じゃないの?」という質問もあります。

たしかにアゴは大きくなります。アゴはお顔の輪郭を作る骨格と歯がある歯槽骨(しそうこつ)とういう部分で作られています。骨格の部分は成長とともに前後的に大きくなっていきます。それに対して歯槽骨の部分は歯が生える時に大きくなるというより厚みが出ます。

 

つまり一度、永久歯が生えてしまったら成長と共に骨格が大きくなっても、歯が並ぶスペースが劇的に得られるわけではありません。

やはり、就学前の乳歯の時点で「すきっ歯」でないお子さんは将来、歯並びが悪くなる可能性が高いと言えます。

就学前で矯正治療はまだかもしれませんが、一度矯正治療についてお話を聞いておく事は大切です。そうする事で保護者様は心の準備ができます。